下顎左側の大臼歯部にインプラント

2016-06-04

埼玉県三郷市の歯科医院、あべひろ総合歯科の阿部ヒロです。

今日施術のインプラントは、下顎左側大臼歯部の手術でした。

根尖病巣が大きく病巣を除去した後に、骨の回復を待ってから埋入しました。

ポイントは、必ず病巣を取りきること、インプラントの埋入を考慮して骨が治癒および再生しやすいよう配慮することが大切です。

一つ一つの事前配慮が的確ですと、インプラント手術をする際のリスクが減り、悪い口腔内環境でもより良い状況に導くことが可能です。

単なるインプラントの外科的な処置だけでなく、生体治癒や病巣の状況、歯科のあらゆる知識がないと対応できない症例です。

骨が未成熟で、下顎の骨の割にはとても柔らかい状態でしたが、アダプテーションテクニックを応用し6番相当部は無事初期固定を得ることができたので一回法で対応しました。

7番は骨欠損があったため大事にして二回法で対応し骨が誘導して来やすいように(足場の作成)人工骨(バイオス)を使用して骨の平坦化と欠損を補充。

静脈内鎮静法(セデーション)を用い、麻酔専門医がきっちりと安全管理。患者さんを安静な状態に導いてくれたので、とても穏やかに手術を行うことができました。患者さんも熟睡で、オペですっきりしたとののこと(笑

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処置時間はおおよそで1時間以内でした。

お口が開けにくい方なので最終上部構造をしやすいように手前に傾斜させて補綴物がしやすいようにかつ、患者さんに負担がかからないように配慮するのも臨床の大切なポイントです。

早く噛めるようになるのが楽しみだと患者さんはおっしゃいます。私も3か月後が楽しみです。


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ノーベルガイド(ノーベルテクニシャン)を使ったインプラント埋入の手術

2016-06-01

埼玉県三郷市の歯科医院、あべひろ総合歯科の阿部ヒロです。

先日、ノーベルガイド(ノーベルテクニシャン)を使ったインプラント埋入の手術がありました。

骨の質がとても弱いため、インプラントの固定が弱く、4ヶ月間待たないといけない状態でした。

さすがに歯を入れないままお帰りいただくわけにもいきませんので、他の部位で固定が得られるような技術的配慮を組み込み、無事他の部位にレスキューインプラントを埋入して、即日歯(インプラントの仮歯)を入れることに成功しました。

抜歯即時埋入でのインプラント即時荷重ですから、最高に難しい手術です。
もともとは重度歯周疾患のため、天然歯を残すことができない状態でした。それでも無理やり残して欠損部位にだけインプラントを入れると費用が倍増してしまい、患者さんにとっては非常に悩ましいケースだったと思います。

初診時の写真がこれです。

初診時 初診

一旦、歯周病治療を進めて病原菌を排除し、仮の歯で動揺した歯を固定して経過を追います。その後インプラントを入れていきます。

いきなり初期治療もせずにインプラントを埋入してしまうと、感染が取り切れずに炎症を起こし、骨も脆弱なため、インプラント自体が歯周病に罹ってしまうことがあります。

インプラントが歯周病に罹ってしまうと(インプラント周囲炎、peri-implantitisと言います)と非常に予後が悪くなってしまいます。歯周病患者さんのインプラント埋入には、細心の注意を払って治療計画を立てなくてはいけないのです。

鎮静麻酔下でノーベルガイドを使い行ったため、切開剥離を最小限にでき、腫れや痛みはほとんどないと思われます。骨移植もしておりません。ノーベルガイドを用いて傾斜埋入しています。

ガイド設計

オールオンフォー(All-on-4)でダメなら、本数を増やすなり技術を駆使したり、設計を変えたりで、状況に応じマルチに対応しなくてはなりません。臨機応変に最終的には単なる経験だけではなく、知識と技術を常に学んでいるかの差がここで出ます。

これが臨床の幅なんです。何にせよ一安心です。術後の写真です。

術後

もっともっと、いかなる状況にも対応できるよう、学び続けていきたいと思います。


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